2020/05/02
明治期の伝染病予防対策 幕末の開国以来、わが国は外国からもたらされる様々な伝染病に悩まされることになりますが、とくにコレラ・チフス・種痘など多数の死者を伴う疫病対策は喫緊の課題でした。 今回は、明治期の伝染病予防対策をリードしたパイオニアとして、医師であり、またこの時期の衛生行政のトップでもあっ…
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2020/04/27
国際港湾都市神戸と伝染病 現在世界を席巻しつつある新型コロナの猛威に思いを致して、少し歴史をさかのぼり、明治初期のわが国の伝染病対策に目を向けてみたいと思います。 明治維新以後の急速な開国政策のなかで、わが国は伝染病上陸の危険にさらされておりました。とくに私が住む神戸は、1868年1月1日の開港…
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2019/12/10
備後国風土記逸文 鎌倉時代末期、卜部兼方によって編まれた『釈日本紀』のなかに『備後国風土記』の逸文が載せられており、疫隈国社の縁起として蘇民将来の物語が記されています。そのくだりを書き下し文(原文は白文)で引用すると、 昔、北海にいましし武塔神、南海神の女子をよばひに出でまししに、日暮れぬ。その…
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2019/12/09
吾妻鏡にみる祇園の示現 鎌倉時代を記した歴史書である「吾妻鏡」によると、寛喜3(1231)年5月4日の条に「祇園示現」の記述が載せられています。これによれば、先月頃ある僧が祇園の示現と称して夢を記し洛中に披露したので、九条道家は鎌倉にいる子息の四代将軍頼経にこの夢記を送られました。これによれば、疾…
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2019/11/22
中世期の飢饉や疫病 災害と怪異の諸現象(災異現象)に対する人々の対応は、時代によって変化してきたと思われますが、飢饉や疫病が打ち続いた中世を例にとって、その対応の様子をみてみましょう。水野章二さんによれば、鎌倉・室町期には3~5年に1回、戦国期には2年に1回の割合で、全国のどこかで飢饉や疫病が発生…
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2019/11/19
災いを制御する神 災いを制御する神というものを考えるとき、御霊信仰が思い出されます。御霊信仰を自分なりに定義してみると、天変地異の発生を非業の死を遂げた人物の「怨霊」の祟りとして恐れ、その霊を鎮め神として祀り、「御霊」とすることによって、祟りを免れ、平穏と繁栄をもたらしてもらおうとする人々の願いをさ…
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